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スフィラ

スフィラ(精霊力)とは、イアル世界の遍く万物に宿る、目に見えない自然力。

スフィラ

スフィラは魔術を形作るパワーソースとして働くため、イアル世界に於ける魔術とは、「スフィラを操る技術」と言い換えることができる。
そのため、魔術師は周囲の環境におけるスフィラの多寡に敏感な体質であることがその条件となる。

もちろん術者自身の体内にもスフィラは存在し、術者自身がその身に蓄えているスフィラの量が、発揮する魔術の効果にも影響を与える。
これが所謂「魔術の才能」と呼ばれるものである。
人種として高い傾向があるのはやはりエルフだが、その他はドングリの背比べ。
つまりイアルにおいては、魔術が不得手な印象のあるオークやドワーフだからといって、個人の適性として生得の才能が極端に劣ることはない。
オークの魔術師が蔑まれたりするのは、ただその発動させるやり方が、長年の研究と練磨によって洗練されているか(エルフ式)、荒削りで無駄が多いか(オーク式)のイメージの違いでしかない。

ふたつのスフィラ

この精霊力には、「正のスフィラ」と「負のスフィラ」というべき、指向の異なる二種類が存在する。
現在、エルフたちがアルアリアに集めているのが「正のスフィラ」であり、ゾネリが珍重する嘆きの魔泥を生み出したのが「負のスフィラ」。

負のスフィラに長時間接していると、ゾネリのように心身の健康を損なってしまう。
肉体が変容・腐食し、精神的にもだんだんと偏執的となり、最後には完全に正気を失う。
このような分かりやすい実例があるため、イアルに住む人々に融和的とみなされるのは「正」であろう。

しかしほとんど知られていないが、正のスフィラも実は、長期的に接触していると「生物としての実体を失う」という強力な副作用が生じてしまう。
血と肉を備えた生物から、高次元の存在に変化させられてしまい、実体とエネルギーの中間のような存在に変えられてしまうのだ。

彼らは時間と空間の感覚を喪失し、時空の狭間を渡り歩く「影」のようなものとなってしまう。
彼らはときに実体化して現世に舞い戻るが、自らの意志での制御は不能だ。
これが、はるかな過去に死んだとされるはずの人物が、現代に姿を現す所以となる。
つまり「レジェンド」の出現にも「正のスフィラ」が一役買っているのだ。

精霊と正のスフィラ

正のスフィラは、ある程度強力に濃縮すると実体を持つことがある。

これが所謂「精霊」である。

ちなみに精霊「ウンディーネ」が敵ビーストとして登場するので、この実体化という事象自体は、イアル世界ではさほど珍しいことではないのが分かる。
ただし彼らはほとんどの場合自我をもたず、知能も低く、好き勝手に暴れまわるだけなので精霊としても最低ランクに位置する。

「精霊」としての自我を持ち、人に匹敵するほどの知恵を持った「精霊」の生成は、やはり稀にしかあることではない。
そしてさらに、そのような妖精が年経て力と知識を蓄えたものを「王」と呼ぶこともある。
彼らは寿命をもたず、力と知恵を無限に蓄えることが事実上可能なため、人間からすると神とも見まごう存在になることがある。
侮ることはできない。

アンデッドと負のスフィラ

負のスフィラもまた妖精を生じることはあるが、生のスフィラよりもその頻度はさらに低い。

だが負のスフィラは、特にアンデッドの生成とも強く関わっている。

スフィラは人間の強い意志や感情によって影響を受けるため、路傍の死者の悔恨の念や、悲嘆などに影響され、そのものに仮初めの命を与えることがある。
つまり、夜の闇に現れるゾンビやマミー、ゴーストなどのアンデッドを生じさせ、動かす原動力となっているのが負のスフィラである。

それらを踏まえれば、謎に包まれた「嘆きの魔泥」の効果も推測することができる。

「魔泥」とは、負のスフィラが一箇所に淀むことでアンデッドを生み出すのに最適の条件を備えたひとつの場のことである。
ネクロマンサーは負のスフィラに働きかけ、自らがいじった生物の死体を瘴気とも呼べるほどに凝った負のスフィラに晒すことで仮初めの命を与えるのだろう。