World 世界観

エルフ

もっとも古くから存在するといわれる、優美なる容姿を持った種族。魔術に長じ、古代から伝わる高度な魔法を駆使する。
彼らは独自の美意識を持ち、他種族を下に見ているため、積極的に交流を持とうとしない。

首都と領土

現世のものとは思えない美しさから幻都、幻影の都とも呼ばれる“アルアリア(真実の中の真実という意味)”を首都としている。

アルアリア

幻都は本城ではなく、上級貴族の住まう館がそれに該当する。
この館は“泉”と呼ばれる魔力の源泉に取り囲まれており、魔術師たちの魔力を何倍にも増幅させる。地下には巨大な水脈が通っており、組み上げた水がそれだけで魔法薬となる。
アルアリア全体を強力な魔力の結界が覆っており、侵入者があれば、すべて王家直属のエリート魔術師たちである“スクルラッド(栄光の指先の意)”に伝わってしまう。

フォルサロッサ

本来、エルフは“神都”とも呼ばれ、美しさと強靭さを兼ね備えた“フォルサロッサ”を首都としていた。
アルアリアよりも強大であった中心部の“泉”をはじめとする都市機能は失われ、大地も魔獣の毒素で汚染されてしまっている。
エルフたちの流出も止まらず、廃墟が並ぶ都市となってしまい、やむなくエルフは現在のアルアリアに遷都している。
結果、アルアリアは、かつてのフォルサロッサの面影を色濃く残す都となった。
しかし、あくまでフォルサロッサが自分たちの都であるという意識はエルフに根強く、ソルヴィフ王や、強大な力を持つ魔術師カーディロスなどに導かれ、ゆっくりと神都再建の道を歩んでいる。
アルアリアの持つ“幻都”の名には(フォルサロッサに戻り)いずれはかなく消えるものという意味も含まれている。

政治状況

  • アルアリア

アルアリア

首都:アルアリア 統治者:ソルヴィフ

代々の王家・ソルヴィア家(銀杯の意)とアルオス神の神託によって統治されている。
このソルヴィア王家による強靭な支配が続いていたが、黒い魔獣の大襲撃である“神都の黒炎”以降は治安も悪化し、エルフの領土ではまずありえないと言われた盗賊などの類も出没するようになってしまっている。
エニグマの侵攻に広く領土が荒廃したが、他種族を頼ることなく、自力で復興の道を歩んでいる。
結果、他種族に比べて、学術的にも、経験としても、エニグマの脅威を認識している民が多い。

歴史

高潔な歴史

エルフの歴史はあまりに長く、研究者も少なく、何より、他種族に自らの歴史を説明するなど屈辱的と考える彼らの性質によって、その実情はほとんど分からない。
どちらかと言えば、人間やドワーフ側からの交流によって、そのときの権力者の名が伝わるのみである。

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近年は、ウォルリック王の侵攻により、人間との紛争が目立っているが、二十年前には、ドワーフとの大戦“紅玉戦争”、十五年前には、オークと激しく争った“リファルファの厄災”なども記録されている。
5年前には“神都の黒炎”と呼ばれる黒い魔獣による大襲撃が起こり、首都のフォルサロッサをはじめ、多くの領土が荒廃してしまった。
現在は、その厄災から復興が、エルフの大命題ともなっている。

軍事面

他の種族に比べて、魔術師の数が圧倒的に多い。
エリート魔術師で構成された王家直属の軍隊“スクルラッド(栄光の指先の意)”が内外に有名。
決して、剣士が足りなかったり、脆弱というわけではなく、飛刀や二刀流など軽妙な剣技は他種族の追随を許さない。
“スクルフィラム(栄光の刀槍の意)”というエリート陸軍も存在する。
彼らは剣士らしく勇猛でもある。

宗教と信仰

極めて信心深く、国の大事な事柄を巫女の神託をもって断じることも多い。
恩恵を得るため、戦闘中にアルオスの名を唱える兵もいる(剣士であれば「アルオスの剣を!」、弓手であれば「アルオスの目を!」、魔術師であれば「アルオスの声を!」と叫ぶ)。

愚者のいざない

満月の夜にアルアリアの中庭で行われる晩さん会。
皆おめかしをして出かけ酒と食事を楽しみ、ときには舞踏に及ぶ。
ただし、参加者は必ず嘘を喋らねばならず、真実を語ってしまった者は「知恵が足りない」として嘲笑の対象となる。
いわば晩さん会の形式で行われる知恵と洒落比べである。

謝恩祭

巫女の神託によって不定期に開催される独身男女の社交場。
しかし浮かれたものではなく、愛の物語である歌劇“薔薇の試練”を互いに演じあう形で進行する(巧者が好意を抱かれやすい)。
誰でも参加可能となっているが、現実は身分、家柄などの生い立ちで厳しく制限されている。

精仁祭

ドワーフや人間との関係が続くことを祈って催される民間の祭り。
秋の収穫期に行われ、両種族間の戦争中も細々と続けられてきた。
人間の吟遊詩人による語りと歌が一番の目玉。
エルフの子供たちは、とても楽しみにしている。

文化と交通

偏向的な文化観

絵画や彫刻の匠が多いが、エルフの作る建築物は魔力が如何に集約できるかを重要視して設計されることが多く、それ自体の強度は低い。
また、そのあまりに長大な歴史が二の足を踏ませるものか、他の学問に比べて、歴史を学ぼうとする者が少ないという特徴もある。

地下水脈による行き来

エルフの領土は毛細血管の如くに地下水脈が広がっており、これを利用した巨大な連絡船の運航が行われている。
地下水脈の届かない地方では、地上へと乗り出し、普通に渡し舟となる。
人間の巨大馬車やドワーフのトロッコ列車に比べると、領土の隅々まで行き渡り得る交通手段ではない。
アルオス神の恵みとして満月の日は運賃がタダになる。